“文学少女”と慟哭の巡礼者

 で、買ったのは「“文学少女”と慟哭の巡礼者 」です。(ここは笑うところですよ!)
 面白かったですが、この作品、シリーズの特徴はある人物の内なる心情と、歴史上著名な文学作品で表されている人物の心情をリンクして語っている点ですね。特に今巻では主人公の美しかった幼少時代が真にどうであったかを、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』を参考に描かれるところから、結末として主人公のコノハ君が「ぼくは、真実と向き合える人間になりたい」と自らの目標を述べるシーンへと繋がります。
 つまり理想郷のような幼少期だと主観的に感受するのではなく、真実を知る人間になりたいという意思表示なわけです。

“文学少女”と慟哭の巡礼者 (ファミ通文庫)

“文学少女”と慟哭の巡礼者 (ファミ通文庫)