「君も、泥棒さんなのかな」

きゃーーー

彼女は突然妙なことを言われ、不審そうな顔をした。
「だって君はさっきから新聞を大事そうに抱えているけど、それは私の家のじゃないのかな」
あ、と彼女は慌てた様子で自分の胸元に抱えた新聞を見ると、おずおずと僕に差し出してきた。