いまさら翼といわれても

内容(「BOOK」データベースより)
神山市が主催する合唱祭の本番前、ソロパートを任されている千反田えるが行方不明になってしまった。夏休み前のえるの様子、伊原摩耶花福部里志の調査と証言、課題曲、ある人物がついた嘘―折木奉太郎が導き出し、ひとりで向かったえるの居場所は。そして、彼女の真意とは?(表題作)。奉太郎、える、里志、摩耶花―“古典部”4人の過去と未来が明らかになる、瑞々しくもビターな全6篇!

 アニメでいちばん好きなエピソードである「連峰は晴れているか」他、どれも大変面白い作品集。
 特に、表題作「いまさら翼といわれても」は個人的な好みが最高にマッチしている。
 今年読んだ本で一番面白かったものはと言われたら、「白い都のヤスミンカ」か「いまさら翼といわれても」のどちらかと答えるだろう。
 この作品の幕切れは、中途半端なものだが、だからこそ想像しない訳にはいかない。
 私の中の折木君はこう言うのだ、「俺が、その翼を折ってやろうか」と。
 でも雛祭の日に、舞う桜の中で言えなかった折木君は、果たして今度は言えるだろうか。


いまさら翼といわれても

いまさら翼といわれても