神様のカルテ 2
良心に恥じぬということだけが、我々の確かな報酬だ。
医者の話。仕事を取るか家族を取るか、みたいな。そんな昭和時代あった問いが未だに続いている。
簡単な問題ではないし、明確な答えなんて描かれていないし。昔は誰かが生贄になってみんなが幸せになってめでたしめでたしで済んだのにね。現代においてはめでたしめでたしな日常が続いていく。生け贄は生け贄のまま。
花や季節を冠する名前は寿命が短くなると忌避されたと聞くが、いっそ付けたらいいのだ。いっそ華やかな方が。
帰省されているお師匠様もずいぶん仕事が忙しいらしく、裁量労働制の名のもとに連日サービス残業だそうです。裁量を委ねないでおいてなにが裁量労働制なんだろう。
若干気分が落ち込んでおきながら一晩、も経ってないうちに持ち直すしたというのは相変わらず脳細胞の単純さに呆れる。
結局のところ私には覚悟が足りなかったのだと思う。私は悪魔見習いにならなければならないし、ずっとこの暗い野辺を歩いていかねばならない。あなたが何かをできたとしても、あなたを誉めてくれる人はもういない。
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