マリシャスクレーム〈2〉―MALICIOUS CLAIM

「人殺し。あなたの幸せは全部あたしが壊してやる。あなたに趣味ができたらその趣味を、あなたに友人ができたらその友人を、恋人ができたらその恋人を、仕事を、生き甲斐を、夢を、どんな些細な希望だって見逃してなんかやらないから。あなたの人生を粉々になるまでぶち壊して地獄のどん底に堕としてやるわ」
P215

こういうセリフを笑顔で言える人になりたい。

「あいつの罵声は助けを求める声だ」
P327

おもしろかった。
クレーマー対応会社がクレーマーに攻撃される話。
人の悪口ばかり言う人の、その悪口をよく聴けば、その人が何で悩んでいるかが分かるとはよく言うけれど、さてそれはこのIPBC・非人間的異常性クレーマーにも当てはまるのでしょうか。モンスターをモンスターとするかみたいな。
金銭の賠償が目的とか鬱憤晴らしとかならそれはまだ人間的で、非人間的とまで言うからにはその千疋は超えているのではないかと思うのだけど。
あと今回もあとがきが面白かった。
演技が好きだと思ってずっとやっていたら、実は演技を通して得られる別の何かが好きだったのであって、演技をすることは辛かったのだと気づいた。だからやめた。
まあそういうこともあるかもしれない。それを通して得られる何かと、それをすることの辛さを天秤にかけて割り切れる事ができるのはまだ幸せな方で、殆どの場合は気づかないまま続けてしまってるのかもしれない。