マリシャスクレーム―MALICIOUS CLAIM

雨雲は水を注ぎ 雲は声をあげた。あなたの矢は飛び交い。あなたの雷鳴は車のとどろきのよう。稲妻は世界を照らし出し。 地はおののき、震えた。
詩編77編1-21節

「客だったらなにを言ってもいいと思ってる馬鹿は死ねばいいのに。いっそ殺したい」
P89

現代のとあるコールセンターに電話が異世界とつながって、異世界に飛ばされてしまった顧客の苦情と受けることになり冒険を電話でサポートするという異世界クレームファンタジー。嘘。
とても面白かった。
クレームを専門に引き受ける会社の話。特に非人間的異常性悪質クレーマーの対応を主とする。
へーメディアワークスもこういう小説出すのかーという感じだ。
私も今でこそちょっと慣れたけど電話は苦手で、マナーも話し方も分からないし、誰から架かってくるかもわからないし、いつなるかもわからないし、吉報か凶報かもわからないし。とにかく電話は苦手だった。今でも言葉遣いがかなり危ういとは思ってるけど。それは直接対話でも同じなので。
言葉で人を殺すことはできるし安全な場所だと思ったら回線一本隔てて地獄とつながることもある。
しかし本当にここまで対応しなくちゃいけないのですかね。うーん。それに苦情専門と言っても顧客企業の契約とか商品に精通してないと対応もできないと思うのですが。私なんて自社と関係する業務法令の把握だけでもかなり至難なのですが。