さよならピアノソナタ 3 (3) (電撃文庫 す 9-9)

 合唱イベントや新キャラの登場や文化祭イベントなどをぎゅっと押し込んだような盛り沢山な内容。
 だからといって密度も高いかというとそれほどでもない。
 これは良し悪しだけど。
 読みながら時かけの『考えながら投げらんねぇッ!』って台詞が浮かんできた。
 たぶん考えながらでは弾くことも書くことも難しいのだろう。
 その気持ちは良くわかる。
 主人公は成長しないようでいて実はしているようであって、やはりしていないと思う。
 音楽的な話については学がないので雰囲気を楽しむには十分だが、登場人物たちが語る内容の価値を推し量るところまでは行かない。つまりAの語る内容をBが肯定することで初めて私はAの語った内容に価値あるのを知るのであり、Bが肯定するまでは、どうなの?否定されちゃわないの?とよく言えばドキドキワクワクな状況におかれる。
 後は盛り沢山だっただけにつなぎ目の処理とか。
 個人的にはイラストが大変可愛らしくて良い、が買ったのが製本の糊付けの薄い欠陥品で今にも口絵の部分が落丁しそうで怖い。


さよならピアノソナタ〈3〉 (電撃文庫)

さよならピアノソナタ〈3〉 (電撃文庫)