家守綺譚

 ラジオドラマで聴いて、ハードカバーを借りて、文庫を買ったので三度目の読み。
 何度読んでも面白い。
 結末はやや難解で私の貧しい脳味噌では理解できなかったからか、三度目であるのにまるで初めてみたような印象だった。
 多少、私見によって分解する。
 主人公は小説家を目指す人間ゆえか逆に世情に疎いということである。よって彼は隣に住むおかみさんや後輩にして編集者、和尚や死んででてくる友人の高堂らによって、日本的な事象、そして妖怪神といったもろもろを教えられながら生活する。
 小説家という主人公を通してみる読者、その他人物はガイド役。
 世界観を表現するにはガイド役が必須かなー。
 あと、古い日本であって、古すぎないというか。近代国家の成立時の日本が一番好きですね。
 好きな話はススキ。


家守綺譚 (新潮文庫)

家守綺譚 (新潮文庫)