SHINO ―シノ― 黒き魂の少女

とても評判がいいので買ってみた。
うあ、もしかして著者はこの作品がデビュー作なのかな。
それはすごいね。あっさり続巻が出そうなところが怖い。理解しきれない部分があるけどもう一回読めば少しはまともに補完できるだろうか。そこはかとなく著者とは似た嗜好を感じるけど、う゛ん気のせいだね、きっと。もっともっと巧くなって神様みたいな文章を書かれるのを待ちたいです。


以下ネタバレだけど内容とはほとんど関係のないただ思ったこと。

肉体はただの防壁にすぎない。

この言葉は見過ごせないなーと思ったらやっぱりフォローが入りました(フォローというか解決なんだろうけど)。これまた教養科目で習ったことだけど(すごい! 本当に教養になっている!)精神と身体は相互に作用しているって事で、わたしもその見識に立ってます。なので魔法少女ものならともかく、魂だけを重要視して肉体を蔑ろにするのはいただけないですかね。オリンピック見ろと言いたい(わたしは見てないけど)。むしろネット上のほうが肉体を伴わない不自由さを感じてしまう事もあるかと思うのだがどうなんだろ。ああ、それにしても、本当にフォローが入ってよかった。じゃなかったら、この言葉を言った志乃ちゃんもイラストという外殻を捨てて文章だけの小説になりなさいよ! と苦情のはがきを送るところだった・・・。それと、自分という存在を世界に残しておきたいか、ということについて。わたしなんかはむしろ死んだら葬式もしないで誰からもすぐに忘れられてブログなんてすぐ消して遺灰は土に巻かれて海に溶けて、関わりあえないわたしが死んだ後の世界がせめてつつがなく回りますようにとお祈りしてしまいたいくらいですが、また同時にまるで始めっからいなかったなんて生まれた価値もない存在となるのは嫌だというのもやっぱりわからなくはない。でも永遠に残される精神なんてものもどうしたって存在しないんですよ、だからせめて誰かに意志が継がれていると信じるしかないんですよ、と自己完結。つーか、それはまたどこのイマジネーター?
あとはう〜ん、オチかな。嫌いじゃないけど、まるでこのオチを読むために一冊読んだ気持ちになってしまいますね。それだけの破壊力というか深い悲しみというか。