櫻子さんの足下には死体が埋まっている 雨と九月と君の嘘

北海道、旭川。僕、正太郎と、櫻子さんが住む街だ。櫻子さんは、抜群の美貌とスタイルを持つお嬢様。けれどどこか残念なのは、彼女が骨を好き過ぎるから。その雄弁さに惹かれ、真実を探り出す様は、まるで探偵。そんな彼女が、僕の高校の文化祭に来ることに。黙っていれば魅力的な彼女に、密かにときめく僕だけど、理科準備室で人骨が見つかり…。(「託された骨」)北の美食も謎も満載。残念美人櫻子さんの最強キャラミステリ!

「・・・黒は死の色と思われがちだが、本当は違うんだ。黒はね、心理学上でいえば、強くなりたい、戦いたい、死や恐怖から逃れたいと、そうもがき足掻くものの切望から生まれる色なんだよ。黒は絶望じゃないんだ、希望なんだよ。『生きたい』者の色なんだ。

「また味の種類も多いというの決めてだったんでしょう。それであれば、坊ちゃまは来られる前に、必ずどの味がいいか? とお電話してくれます。万一いきなりいらっしゃることも避けられるでしょう」
「つまり・・・時間稼ぎだったて、そういうことでうか? 痛がっている自分の姿を見せないための」

骨や検死の知識を扱う話なので、殺人等の死を扱うミステリがおいのだけど、上記のプリンの話をはじめとする日常のミステリーもあって面白い。
主人公が小さな頃、祖母の見舞いに行く時に必ずどこそこのプリンを見舞いの品に希望されて、祖母は別にプリンが好きではなかったはずなのになぜだろうというもの。