自称分析官ヴィルヘルムの迷推理

 表紙が素晴らしく、偶像的でとてもよい。みーまー的な。イラスト的にも内容的にも。
 赤村崎葵子の分析はデタラメが何故かメディアワークス文庫に移っての「分析ミステリ」らしい。内容的には主人公たちが大学生になって成長している以外はあまり変わらないように思える。
 そもそもタイトルの「分析官」という言葉から突っ込みたくなるのですが、官職なのかというと作中では民間の分析者のようなものを言ってるようだし(そもそもその分析者は自分のことを「官」とは言っていないようだけど)、じゃあなんで関係ない分析官なんていう言葉が踊っているかというと、たぶん語呂がいいからという理由なだけなのだろうと自分で納得するしかなく、そうしたもやもやを抱えながら読むから分析どころではない。
 この作品で興味を持って聞いた「ウィリアム・テル 序曲」はなかなか良かった。