犯罪者書館アレクサンドリア ~殺人鬼はパピルスの森にいる~

父親が多額の借金を残して亡くなった。神田六彦はその肩代わりとして殺されかけるが、突如として現れた夏目と名乗る女によって、彼女の経営する店で働くことを条件に命を救われる。しかし、そうして足を踏み入れたアレクサンドリアは、殺し屋を始めとする反社会的な人間だけが利用する言わば犯罪者書館。常識も法律も通用しないその点では、シャーロック・ホームズを名乗る殺人鬼によって、次々と常連達が消され始めていた。<< 
 「還りの会で言ってやる」や「プリズム少女」の作者さまの新作。
 犯罪者図書館の無口な女主人と小説の内容に沿った解決ということで同レーベルの別作品を彷彿とするけど、後書を読む限り決してそれありきというわけでなく、本格ミステリを書きたいという意欲と作者が書店で勤めてる経緯が関係しているらしい。
 小説を使ってのミステリの解放といっても、ビブリオ古書堂とはひと味違って、差別化がされていて面白かった。
 私も年がら年中読むわけじゃないけど、お守り代わりに身の近くにおいておきたい本は一冊や二冊はある。ああでも、大切なものでもよく使うものはすぐなくしてしまう。大学卒業のお祝いにゼミの教授からもらった金属の猫の栞と高校の卒業祝いでもらったティファニーシャープペンシルはすぐなくしてしまった。栞はまだどこかの本に挟まっている可能性があるけど。
 それはともかくアーミンという殺し屋の男だか女だかわからない『さらば愛しき女よ』を何度も買い戻す金髪美少女キャラが出てくるのですが、可愛くていいと思います。