なれる!SE2週間でわかる?SE入門

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内容紹介
平凡な社会人一年生、桜坂工兵は過酷な就職活動を経て、とあるシステム開発会社に就職する。そんな彼の教育係についた室見立華は、どう見ても十代にしか見えないスーパーワーカホリック娘で!? 多忙かつまったく優しくない彼女のもと、時に厳しく指導され、時に放置プレイされながら奮闘する工兵。さらには、現場を無視して仕事を取ってくる社長のおかげで、いきなり仕事を担当させられることになり!? SEの過酷な実態を萌えかつコミカルに描くスラップスティック・ストーリー登場!

 就活に行き詰まった工兵がブラック企業の求人に騙されてSEに志願し、想像との違いに絶望しつつ無茶ぶりOJに耐えつつ顧客の横暴に耐えつつ、SEになる話。
 とても面白かった。
 残酷物語だけど、その魅力も感じずにはいられなかった(なりたいとは思わないけど、いや本当は3日位ならなってみたい)。
 就活から入社、試用期間中の経験がまるで自分のことのように鮮明。
 思えば、コンピュータなんて生まれて何百年も経っていないだろうに、もう学問として成り立って、市場が広がって、商流が整備されて、人員が兵士のように投入されていくのが不思議でならない。
 思うに工兵が辞めるのは簡単だった。会社の実態が説明と違うとか、労働環境が劣悪だとか、OJTが無茶ぶりとか、仕事と自分の能力のミスマッチとか、どうせ新入社員の何割かは入ってすぐ辞めるんだからとか。
 そうならなかったのは辞めた先にもっと酷い現実があるかもしれないからと、周りからの(立華からの)期待と、自分の決意があるからなんだろうなぁ。