冴えない彼女の育てかた

 主人公安芸倫也が、冴えないクラスメイト加藤をギャルゲーのヒロインとしてプロデュースする話。
 有名なシナリオライターさんと有名(というか表紙が素敵)な原画家の作品らしくて速攻で売り切れた話を聞いて、ああこのジャンルとギャルゲーの垣根はどんどん取り払われていくな、逆方向に進んでいって欲しかったんだけどなと未練がましいことを思いつつ、流行に乗って早く読みたい! 秋葉でダメでも盛岡ならまだ売ってるでしょうと思ったのですが、作中にあるようなにわかオタクの僕は見つけられず再版がかかるまでお預けを食らっていました。すいませんでした。
 面白かったです。
 シナリオライターが自分の作品制作の境遇をネタとするのはよくあるし空白の多い紙面に辟易もしたのですが、主人公が作品制作を通してフロインにフラレていたんだと思う心理描写やクライマックスシーンなどは魅せられたし、なによりヒロインの加藤を可愛いと思う主人公に同調してしまった時点でキャラクター小説を読む側としては負けたのです。加藤可愛い。ちなみに冴えないヒロインの加藤は表紙の人じゃないです。黒髪白いベレー帽が似合うおしとやかなかというか地味な人です。なんか続巻が11月くらいに出るらしいですね。
 あとシナリオライターが引っ張ってきた信者がAmazonとかで濃ゆい書評をしてるのがすごい面白かったです。1巻がすごい売れたので2巻は多めに刷るのでしょうが、信者たちの書評を見る限り、そこまで評価は高くないようなので在庫が残っちゃうかな。でも信者は評価低くともどうせ買うよね。どちらかと言うと、信者じゃないけど注目作で売り切れそうだから買った第3勢力がどう動くかにかかってる気がします。富士見が何部刷るのかどんだけ売れるかにも注目ですね、と売りスレっぽいことを言ってみるテスト(行ったことないけど)。僕は買うよ。

冴えない彼女の育てかた (富士見ファンタジア文庫)

冴えない彼女の育てかた (富士見ファンタジア文庫)