フエンテス短篇集 アウラ・純な魂 他四篇
内容紹介
「…月四千ペソ」.新聞広告にひかれてドンセーレス街を訪ねた青年フェリーペが,永遠に現在を生きるコンスエロ夫人のなかに迷い込む,幽冥界神話「アウラ」.ヨーロッパ文明との遍歴からメキシコへの逃れようのない回帰を兄妹の愛に重ねて描く「純な魂」.メキシコの代表的作家フエンテスが,不気味で幻想的な世界を作りあげる.
「いつまでも変わらず愛してくれる?」
「いつまでも変わらず愛し続けるよ、アウラ。永遠にね」
「ほんとう? だったら誓って」
「ああ、誓うとも」
「お婆さんになっても愛してくれる? 醜くなっても、髪が真っ白になっても愛してくれる?」
[いつまでも愛し続けるよ」
[わたしが死んでも? わたしが死んでも永遠に愛してくれる、フェリーペ?」
FMシアター、シリーズラテン・アメリカの文学に於いて放送された、奇跡のように美しいラジオドラマの原作、他3篇。
アウラは、雨月物語の映画の影響を受け、怪談として日本的といっていいのかわからないけど、非常に心地良い。
難解なところがあるので、ゆっくり読みたい。
どうでもよいけれど、ラジオドラマと本文中では月3千ペソで、表紙では4千ペソとなっているのは誤植?
- 作者: カルロスフエンテス,木村榮一
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1995/07/17
- メディア: 文庫
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