告白
人間の倫理観は、あなたが言うように、単なる学習効果でしかないのかもしれません。
本屋の店頭で流れていたPVがとても面白そうでつい買ってしまい、今日の電車の移動時間で読んでしまった。
とてもおもしろかった。
いじめが題材かというと必ずしもそうではなく、少年犯罪とか犯罪心理とかかというとそうでもなく、個人的には主軸は母と子かなぁと思ったけど、読む人によって違うのかもしれないし、なんだかとても話の割り振り方が面白い。
読んでいて、『復讐』とか『いじめへの対抗』とかそういった目的のもとに各キャラクターに没入できないところに物足りなさを感じもしたけれど、これは没入させない物語であって、読む立ち位置は冒頭から語る娘を喪った母で教師の女性なのだろうな。PVはそのあたり音楽とか演出で煽ってて素敵だった。映画見に行きたいな。時間あるかな。
僕たちが大事にするところの主観なんてものは、この小説に出てくるひとり分の意見思想如き、あるいはそれにも満たない程度のものなんじゃないの、そいう人も沢山いるだろう、少なくとも僕はそうだ、と思わされるような。それは言い過ぎですが。まあでもそういう考え方もありだな、とか。
人が守っている束縛を一度放り投げてからしかし私にとってはこうだから必要なものだと、もう一度取り戻す話が好きだな。なにをいってるのかわからないけど。
- 作者: 湊かなえ
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2010/04/08
- メディア: 文庫
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