ゼペットの娘たち
三木遊泳の新作。
話としては愛玩用などの〈機鋼人形〉が存在する世界で借金を抱えた人形師の少年とそのユカイな仲間たちの話。
人形のいる世界観というのが西洋風の地の上でこー男の子心をくすぐるような機械弄りのごちゃごちゃした感じがあって、前作であるカレイドスコープより魅力的なものになっている。
人形師の付き添いの人形を初めてして愛玩用の人形初め女性が多く出るが、著者が女性だけあって表現が自然で、その辺のバランス感覚がいい。
淡々としすぎとか盛り上がりに欠ける嫌いがあるが、今後に期待したい。かわいらしいイラストだからもっとキャラ萌を頑張るとか、地の文に厚みを増すとか。主人公とヒロインの主観をはっきりさせてもいい。
しかし冒頭にも書かれてるけど、ヒロインが「ハリケーン」てすごい名前だな。もっと可愛いのでもいい気がするけどなに意味があるのだろうか。人形の名前に「形のないもの」を与えるジンクスがあるといっていたけどこれの影響か。このジンクスは現実でもあると聞いた事がある。私が聞いたのでは形がないものだけでなく、移ろいゆくものもだめで、花とか季節とかがダメと聞いたような。
個人的には、三木遊泳の文章は好きだからいいやとハードルがかなり下がってるんだが、まあ仕方ないよね。でももっといいものになってほしいと願ってもいます。
- 作者: 三木遊泳,宮田筝治
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2008/07/10
- メディア: 文庫
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