DRAGONBUSTER 1
物語としては回想と序盤もいいとこで。特に盛りあがりとかはなし。
文章と古代中国?の世界観は流石で読んでいてつかえる事もなければ飽きることもない。
おそらくこの後は大比武という天下一武闘会の様なアクションが続くのかと思うけど、いくらベルカに天賦の才があったとしても皇女である彼女が出場できるわけもなし伝手もなし、でも出しちゃうんだろうか。
ところで当作品は言愚という少数民族の存在というのを題材にしているけど、小説というのは元来そういう倫理的社会的異端者や弱者、そこまでいかなくても個性ある人間を素材としていることが多い。そうした作品を読むことは多様な個人や思想への寛容さを養うことはあっても、差別を助長することにはあまりならないのではないか。思うに最近は寛容さや慈悲心の伴わない差別的な発言が方々で見受けられるので、ラノベ(笑)をみんなで読んで育みましょう! ああベルカのいう武人の上下は腕の順というのは競争の理論だよな。より善く生きようとするベルカを縛る意識や文化を批判的に検討するときにこそイデオロギーという物差しを使うべきなのに私にはまだ上手く使えないなぁ。
あああと基本的にこの舞台は戦時とかではない(一応今のところは)平和な世界であって、戦う理由に欠けるのか、じゃあ王位継承絡みの内乱といったベルカ側のルートに入るか、今巻の内容のように言愚という穏やかに服される存在であるジャンゴが戦う理由を得るジャンゴ側のルートに先が分かれると考えられるのかな。
個人的には内乱云々のgdgdよりは言愚の話をじっくり読みたいなー。
- 作者: 秋山瑞人,藤城陽
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2008/05/10
- メディア: 文庫
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