”文学少女”と飢え渇く幽霊
この作品ははっきり言って好みでない。
全体に暗いし。容赦がない。しかも復讐劇。残虐の源は「やりたいわけではないけれど、仕返しにヒドイことをしてやる」と、復讐の中でも後ろ向きで、仇を返す楽しみに酔うわけでもなければ、復讐をやり遂げようという意思も感じない。そもそも復讐の対象は死んでいて、その娘に、ということなのですが。読者は読んでいてカラルシスを得られないし、誰に感情移入しても面白くない。最後はとってつけたような『救い』。救いを見出すのはいいけれど、それで残虐が帳消しになるわけではないですよそんなの茶番としか思えませんよ。
特に気に入らないのが姫倉。どこのお金持ちのお嬢様か知らないけど、この人捕まらないかなー。
- 作者: 野村美月,竹岡美穂
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2006/08/30
- メディア: 文庫
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