カンニング少女

　図書館の返却カウンターが込んでいたため、暇潰しに手に取ったのであって、決して狙ったわけでもなかったのだけどメフィスト賞を受賞している人だったらしい。最近少し続いている。なんだか客層「ズバリ」ですね。まあ借りたのであって買ってはないですが。

　基本そつない話で、唸らされる上手さもあった気がします。が、なんだか色々物足りなくもあって、ほとんど出てくるだけの光太郎を筆頭にキャラの見せ場と魅力がイマイチで、それは脇役だけでなく主要なキャラでもいえます。キャラが立ってないわけではないけど、のめりこむところまで行かないというか。これはキャラについてですが、テーマをとって見ても、主人公の受験や鈴村女史の苦悩、杜夫の恋などどれも盛り上がりに欠けて中途半端な気がします。誤読感もあまり良くはない。もう少しページ数を増やしてじっくりやってもらいたかったとも思います。
　「カンニング少女」というセンセーショナルなタイトルは好き。冒頭の杜夫に主点が置かれた導入は好き。玲美の姉から杜夫が受け継いだお守りを、再び玲美が受け継ぐイベントとがあるのが嬉しい。表紙も良い。

カンニング少女