ハウルの動く城

脚本・監督:宮崎駿
作画監督:山上明彦、稲村武志、高坂希太郎
美術監督武重洋二、吉田昇
音楽:久石譲

 こんがらがった呪いをすっきりさせるお話。


 劇場で一度視聴済み。
 二回目なので、さすがに反戦がテーマのひとつであるぐらいのことはわかりました。あれ? そうだよね?
 こんがらがりが呪いなので、「わたし綺麗じゃないし」とか引け目みたいな事を言うと若さを取り戻しかけていたソフィが老婆の姿に戻るし、後半ではお城の無骨な装甲が剥がれ落ちていくシーンで素直さの取り戻しと解呪が表現されると。で、難しいことはいいからキスしてわかりあいましょー、と。
 そう考えると、前半で帽子がやたら出てくるのには抑圧の意味合いがあるのかな。
 凝り固まった思考、価値観をほぐし、人類の共通善や愛の重要性を再認識させるというのは口出しの仕様もない崇高なテーマであります。

 
 そこでわたしもジブリとか関係なく、このアニメが素直に面白いかを考えると、正直微妙ですね。決してつまらないとは思わないけれど。
 むしろ、物語の奥の深さとか表現についてに目が向いてしまうし、ジブリアニメとしてみてしまう。伝わりにくく複雑であるのは否めない。
 素直さを求める話ながら、話自体が素直(わかりやすい)とはいえない構造的な皮肉、というか。