市場(スーク)の中の女の子

 東京大学大学院経済研究科教授による、少し毛色の変わった小説。200ページ程度。
 少女が広義の市場という世界を旅する物語。

限りない欲望・・・・・・・
それ、どこかで聞いたことあるわ。
貴方が600年後の世界で学ぶ学問、『経済学』という学問の中に登場する第一原理よ。

 小学生あたりを狙ったわかりやすい経済学入門書かと思えば、(確かに冒頭にはそんな部分もあるのだけど)むしろ小説的な不思議な世界への展開を繰り広げてワクワクさせたかと思うと、よりメッセージ性の高い言葉(キング牧師の演説とか)を伝えようとしたり、神話の話になってより抽象的な話をしたり。
 なんていうか一貫性がないような気がするけど、でも良質な智が十分にこめられているのはわたしにもわかる。たぶんこの本は「結びつける」物語だからそれでいいんだろう。
 バラバラな性質の物語が結びつくことでもあるし、そして市場と少女が結びつく物語だ。


 一つ難をいえば読み難い。一文字目は空けるとかして欲しかったな。
 

 それにしても、今確認したら5月2日に経済と奴隷の話(この本)は明日紹介します、って断言しておいて、実際には一ヶ月も放置していたとかひどいな。
 憤慨とかずっと放置したまま感想かけてないんだけどうしようかな・・・


市場(スーク)の中の女の子

市場(スーク)の中の女の子