この恋と、その未来。 -一年目 夏秋-

本当は仲が良くなんて、ない。だって俺はずっと、未来を裏切り続けている。それなのに俺は親友のような顔をして、未来と一緒にいたいがために自分の本当の気持ちを押し殺して、嘘をつき続けている。

これは素晴らしかった。タイトルが少しわかりにくけど2巻目。
体は女性で人格及び生活は男として暮らす未来と彼の寮での同居人である主人公の2人は、クラスメイトの三好をはじめとする女の子を誘って遊びに行ったり文化祭を経験したりする。それを通じて、主人公は未来への恋心を強く自覚するが、同時にそれは未来へ伝えてはいけないものだという自責の念に囚われる。
同時に主人公は三好からの告白を受けて、自分には好きな人がいるがずっと遠くにいる人で忘れなくちゃいけないから困難で良かったら付き合ってきださいと、ドン引きな逆告白をする。
主人公の葛藤が非常に良い。好きになってはいけないと言っても未来に惹かれてしまう主人公の気持ちがわかる。解決としては、三好と付き合うからには主人公はその気持を未来に話し、一緒にいることを止めるべきなんだろうが、展開としてはそうならないだろうし、みんな幸せにならない気しかしない。