森の魔獣に花束を

『要するに、私とあなたは同じ存在なのよ。わかる? 同じ一個の生命なの。つまり、私だけの名前なんてものはありえないのよ』
「同じ? アタシとあなたが同じなの?」
『そうよ。わかった?』
「じゃあ、あなたもロザリーヌなの? ダメよ! ロザリーヌはアタシだけなんだからっ!」
『じゃあいいわ。私のことは"本能"と呼んで』
「ホンノー? それがあなたの名前?」
『そうよ。それで満足でしょう?』
「うんっ。アタシがロザリーヌで、あなたがホンノーね」うくくくっ。「でも、ホンノーって変な名前。絶対、ロザリーヌのほうがいい名前よねっ」

家を追われた男の子が魔物の棲まう森へ出て可愛らしい女の子の姿をした魔獣と仲良くなる話。
とても面白かった。読後感が非常に良かった。ハッピー・エンディング。
森と魔物の話というと 『ミミズクと夜の王』を思い出したな。あれもいい作品だった。

森の魔獣に花束を (ガガガ文庫)

森の魔獣に花束を (ガガガ文庫)